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[その4]事務所の寒さを改善セヨ!(1)まずは寒さの犯人捜し

佐藤エネルギーリサーチがの事務所が入っているマンションの一室は、東面と西面に大きい開口があります。窓が大きいので解放感があり、夏の通風、そして昼光利用にはよいのですが、冬は足元が寒い!

そこで、足元が寒い原因を把握するために実際に測ってみました(コンサルタント会社ですからね)!今回は、テレビなどでもよく登場しているサーモカメラを使って、事務所の内壁・窓・床の表面温度を測定しました。

サーモカメラで寒さの犯人さがし!

今回測定したのは、下の図のとおり玄関、打合せスペース、部屋の中央、謎の空間、キャビネットの後ろの5カ所です。

サーモカメラの測定箇所

サーモカメラで測定した結果は・・・・

予想通り、、、、しっかり冷えていますね。。。

サーモカメラで撮影した画像は以下の通りです。各画像のレンジは15~25℃で全て同じです。ちなみに、撮影時の室温はおよそ21℃、外気温は4℃でした。

(撮影日:2011年12月12日)

(1)玄関に通じるドア

(1)玄関に通じるドア

このドアは、床とドアの間に隙間が1cmくらいあります。

玄関から、冷たい空気が侵入してきているのが分かります。冷気を止めるために、このようにヒーターを置いています。

(2)打合せスペースの大開口

(2)打合せスペースの大開口

打合せ室を使うときには、ホットカーペットを使っています。ホットカーペットの敷いていない窓に近い床は、とても冷たいのが分かりますね。

ホットカーペットの表面は、27℃程度で体の表面温度(30℃くらい)より低いのですね。ちなみに、ホットカーペットの下には、熱が逃げないようにアルミ断熱シートを敷いています。

(3)謎の空間の大開口

(3)謎の空間の大開口

謎の空間は、冷気がたまっています。

余談ですが、このスペースを上手に使えている住人はとても少ないように見受けられます。物置きになっていたり、白いカーテンがずっとしまっていたり。

緑の植物があったり、カラフルなカーテンやブラインドが下がっていたら外から見ても楽しいでしょうね。佐藤エネルギーリサーチでは、ミニ太陽熱温水器(エネルギーなんでも調査隊[その3]参照)を置いています。そのため、オレンジ色のブラインドは途中までしか下げられなくなってしまいましたが・・・

(4)キャビネット後ろの開口

(4)キャビネット後ろの開口

キャビネットの後ろのブラインドの表面温度は、20℃くらいで空気温度と同じくらいです。しかし、部屋の角の部分、そしてキャビネットの下からは、冷気が漏れ出しているのがわかります。

(5)部屋の中央付近

(5)部屋の中央付近

部屋の中央付近は19℃と、他の箇所と比べると結構高いですね。

しかし、下に行くほど冷たくなっている様子が分かります。

サーモカメラの表面温度分布から次のことが分かりました。

  • 窓やドアの下部に「冷たいスポット」がある。
  • 窓(ブラインド)自体の温度は低いわけではない
  • 部屋の中央付近の床は19℃程度
    (体感では、もう少し低い温度に感じられます)
  • 壁・窓・床表面温度は、13~20℃程度

事務所の寒さの犯人は・・・!?

これら結果から、足元の寒さの犯人は下記が考えられますね。

  • 【犯人その1】玄関に通じるドアのすき間からの冷気。
  • 【犯人その2】コールドドラフト。

コールドドラフトとは、温度の低いガラス面で冷やされた空気によって下降気流が起こり、床面をはうように冷気が広がる現象です。

我々の事務所では、ブラインドの裏側の窓面で冷やされた空気がストンと落ちて、ブラインドの下を通り、床面をはって広がっていたようです。だから、足の甲やくるぶしあたりが、冷たくなってしまうのですね。

この結果をもとに、事務所のプチ断熱改修を行います。
・・・次回につづきます!

【コラム】なぜ空気が冷やされると下降流が起こるの?

「コールドドラフトは、温度の低いガラス面で冷やされた空気によって下降気流が起こり、床面をはうように冷気が広がる現象」とお話ししましたが、なぜ冷やされると下降流が起こるでしょうか?

それは、温度が低い空気の方が、空気密度が高い(=重い)ので、冷たい空気が下に落ちるからです。

1気圧の場合、20℃の空気1m3は1247g、10℃の空気1m3は1205gです。10℃違うと空気の重さは1m3あたり42gも違うのですね。

重さの違いを体感するのは難しいですが、42gというのは、だいたいチョコレートのキットカット1箱分くらいの重さだそうです。

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(公開日:2012年3月28日)